- 2021年6月26日(土) 10:00〜11:30
- 西南学院小学校 校長 宮崎 隆一 氏
6月26日(土) 西南学院小学校より、宮崎隆一校長をお招きして、我が子の可能性を広げる「子育て&幼児教教育」と題して、子ども教育講演会を開催しました。 初めに、宮崎校長先生の自己紹介をされたのちに、公立と私立の違いを絡めながらお話いただきました。 公立には、公立としての良さはありますが、どうしても地域のカラーに影響されるそうです。それに対して私立は、「特色のある教育や時代の様相に即した教育ができる」「どのような子どもに育てたいという理念がはっきりしており自由度が高い」等の優れた点があるとのこと。私立の特長について大変わかりやすく説明してくださいました。
次に、同校の教育理念の基盤となるキリストの教えと、子どもの教育についてお話いただきました。同校が設立されたのは、人格形成期である小学生の時期に神の存在を知って欲しかったことがきっかけであったそうです。今回、コロナの蔓延で普通の生活は案外脆いものであり、生き方や人生の土台があるかないかがとても大切であるということに気づかされたということです。そのようなことを学ばせ、考えさせることが大事なことであると仰っていました
また、同校の理念である真理を追求し、人間の育成について説明がありました。建学の精神を基盤とし、4つのキリスト教的理念「Life(生命尊重)」「Love(人類愛)」「Liberty(自由)」「Peace(平和)」について、それぞれ詳しくお話していただきました。
今まさに全世界がコロナ禍であり、命の遠さに直面しています。それだけではなく様々なニュースの中で、「命は誰のものであるか」ということについて、校長先生ご自身のお考えを「命」「人生観」について述べられました。
「畏怖の念」とは、人智を超えた存在を認め、畏れを知ることが人生の指標となり、聖書の言葉が卒業後の人生にも活きてくるなど、ミッション校ならではの良さについてお話をしていただきました。
その中で、同校の生徒さんの作文で、故中村哲氏について感想文が読まれました。西南学院中学校を母校とし、アフガニスタンで活躍された、故中村哲氏をお招きし講演会も開かれていたそうです。
「困っている人がいたら、助けるだけだよ」という故中村哲氏のお言葉から、平和を創るために努力し、人の気持ちを考えるという生き方を知ることで、自分を近づけていけるような人生を見つけて欲しいということでした。
「生きていくためには何が必要か」「本当に大切なものは何か」ということについて、ノルウェーの詩人であるアルネ・ガルボルグによる「お金があれば」という詩を読まれ、現代社会は価値観がますます多様化している時代なので、自分自身の中にしっかりとした土台を築くことが必要であると仰いました。自由と平等を両立させること、お金では買えないものの大切さを知ることができました
次にスライドで動画を見ながら、同校で行われている具体的な取り組みや、学生生活についてお話いただき、生徒さんによる施設紹介や一日の流れを知ることが出来ました。電子黒板やタブレットを取り入れた授業や専科教師による授業、交流会等、同校ならではの人間教育が行われていることがわかりました。国際的な視野を広げる集大成としての取り組みとして、異文化体験や英語での交流をし、英語教育に力を入れているのが伺えました。しかし、「新型コロナウイルス感染症」の拡大により、今年度は国内での活動を実施されたとのことです。 同校は、英語教育においてただ英語を身に付けるだけではなく、「母国語(日本語)を鍛えなければ思考が育たない」「どんなに英語が話せても中身がない」ということを強く仰っていました。 限られた時間の中で、様々なことに取り組み、学び、意欲を最後までやり抜く意志が大切でるというお話をされました。
最後に、小学生の間は、植物に例えれば「土を耕す」「根っ子をしっかり育てる」ことが大事であり、それが将来に大きく豊かに導いていくものであるとのことです。そのためには、学びや色々な幅広い体験をさせていきたいし、西南小学校にはそのベースになる聖書という確固としたものがあるというお話でした。
教育に関して様々な問題がとりざたされる現代、また全世界の生活が変わろうとしている今、子どもたちが平和な未来を創り出すために、同校の取り組みはこれからも注目を集め続けることでしょう。我が子の可能性を広げ、導かせるためには何が必要であるかを考えさせられる講演会でした。